松島や ああ松島や 松島や
今週のお題「575」
今週のお題です。
この句ですが、松尾芭蕉の句とよく言われますが、実は違うらしいですよね。狂歌師の田原坊という方の俳句だと呼ばれています。
よく、松島の景色に感嘆してこの句を詠んだと言われますが、実はこの句は見方を変えると、違う背景が見えてくるのではないでしょうか。
あるとき、田原坊さんが松島さんと旅をしていたときのことです。この松島さん、うっかり八兵衛並みのうっかりさんです。
田原坊さんが何を教えても、何を伝えても、数日経つとうっかり忘れてしまいます。
田原坊さんも、もうこんな奴とは別れたい!と思いつつも、長い旅路、1人で荷物を持って歩くにはちとつらい。
ある日、田原坊さんは松島さんにお使いを頼みました。近くの商店で俳句を書くために使う筆を買ってきてくれと。ちょうど持ち合わせがないからこの一両小判で買ってきてくれと。
松島さんは元気に買いに行きます。
しばらく経つと、松島さんは帰ってきました。手元にはちゃんと筆が握られています。
よしよし今日はちゃんとお使いできたね。駄賃にお釣りを少しやろうか、と松島さんに問いかけます。そうすると、松島さんはこう答えます。
「一両で買ってきてくれと言われたので、一両する筆を買ってきました」
田原坊さんはこう思いました。
松島や ああ松島や 松島や
なんでそんなの 買ってくるんだ
まぁ、ちゃんと安い筆を買ってきてとか、ちゃんとわかりやすい、間違えようのない指示を出さないわたしが悪いんですけどね。反省します。
と、こんな背景もあったのではないか、とか妄想してしまう1日でした。
間違えないような指示を出せなかった自分が悪いんだ、うん。